宮崎駿監督デザイン 坂本龍馬ゆかりの町家「御舟宿りろは」のご紹介

 

いろはチラシ

 

 

JALF藻谷浩介理事からの広報依頼です。

 

年始のご予定のまだお決まりになっていない方、瀬戸内海のど真ん中の小さな港町・鞆の浦(とものうら・広島県福山市)にお泊まりになりませんか?

山陽新幹線・福山駅前の真正面から頻発する鞆行きのバスで30分。バスの終点から徒歩1分、坂本竜馬も泊まった町家が快適な旅館「御舟宿 いろは」として再生されており、名物の鯛料理ほか極上の地元の味を、イケメン揃いのスタッフがご提供しています。1/2~7の間、1日3組限定の特別プラン。ぜひ別添のビラをご覧くださり、ご予約くださいませ。

 

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この「御舟宿 いろは」を経営するのは、鞆の浦のまちなみ保存運動(景観破壊防止運動)を多年続けてきたNPO「鞆まちづくり工房」です。中心人物の松居秀子さんは、広島弁の明るいおばさまですが、実は日本の町並み保全・再生運動界の最強キャラであり、私が心から尊敬しどこまでもご支援しなければならないと固く誓っている数少ない一人です。彼女とのご縁から、不肖私も、これまでの人生で購入した唯一の固定資産として鞆にボロ家を持っており、そこを人に貸したささやかな家賃収入もjこのNPOの運営資金に回っております。

 

しかるに今般、「御舟宿 いろは」のパソコンシステムの不調から、年末年始の予約が入らない状態が生じてしまい、稼ぎ時に大量の空き部屋が生じてしまいました。松居さんより私にSOSが入りまして、皆様に別添のお知らせをお回しさせていただくことと決めました。

 

今年の冬は寒いですが、瀬戸内の一案奥深くにある鞆の浦は、恐らくほとんどの皆様のお住まいよりは暖かく、夢のように美しい多島海に静かにまったりと冬陽の指す景色がご覧になれるものと思います。古来の当地名産・保命酒は、風邪にも効きます。ご関心の向きはぜひ、別添のビラをご一覧いただき、この機会に「御舟宿 いろは」をご予約くださいませ。

 

それでは皆様、どうか良いお年をお迎えください。

 

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補足・鞆の浦のご解説:

 

鞆の浦は、中世以来の港湾設備がそのまま残る場所としては世界で唯一とも言われる港町で、ユネスコの諮問機関であるイコモスから、世界遺産級の価値があるとお墨付きを得ています。崖の上のポニョや流星ワゴンなど、数々の映画の舞台となり、江戸時代のままの裏路地の残る町並みを散策する観光客も年々増えてきました。

 

しかしこの町では多年、港を半分埋め立てて橋を架けるという市と県の計画が、高齢化する住民のなんと9割(?)もの賛成を得て進められてきた経緯があり、そのため市は、世界遺産どころか、国内の文化財としても一切申請をしてきませんでした。日本有数の町並み景観といわれる鞆は、伝統建築物保存地区ですらなかったのです。千年続いた景観を破壊し世界遺産指定を不可能にするこの計画を止めるために、松居さんたちはじゅうぶん朝ドラになるような中身てんこ盛りの活動を続けてきました。

 

この活動は、裁判所による埋め立て架橋差し止めの判決として結実しましたが、埋め立てと道路拡幅を望み続ける住民も多く、予断は許されません。 しかし市長も替わり、ようやく町全体を重要建築物保存地区に指定するというところまでは話が進みました。これまでこの地区では、文化財指定を受けていなかったために、町家の保全も全額私財で行うしかなかったのです。「いろは」もこのような活動で守られた数少ない場所のひとつであり、そのピンチは鞆の浦全体のピンチでもあります。

 

正月は忙しいが町並み保全には一肌脱ぎたい、という方。ぜひ、別添のビラをご一覧いただき、この機会に「御舟宿 いろは」をご予約くださいませ。(ちなみに私は正月明けから南米に出向いております。早くからの予約だったもので、ごめんなさい)。

 

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毎日新聞より「経済成長なき幸福国家論」発売中 (平田オリザ氏との対談)
中央公論新社より「日本の大問題」発売中 (養老孟司先生との対談)

藻谷 浩介 (もたに こうすけ)
(株)日本総合研究所 主席研究員

以下は非常勤です:
(株)日本政策投資銀行 地域企画部 特任顧問
NPO法人 地域経営支援ネットワーク 理事長
(財)宿泊施設活性化機構 理事