Wednesday,December 04, 2024
適正な宴会場設備とは
現在の宿泊施設において必要なナレッジを対談形式で語っていく連載。連載第11回目は、イベントオーガナイザーとして活躍されている前野伸幸氏に、宴会場の適切な音響設備更新について対談しました。
- 宴会場の音響・照明・映像設備を入れ替えるときには?
- 宴会場の音響・照明・映像設備を入れ替えるとき、意思決定者はなかなか悩ましいと思います。例えば、20年前から存在する音響照明設備を、更新時にどんな種類の常設編成に入れ替えればよいか、外部手配したほうがよい設備はどれなのか、客観的なアドバイスを得ることが困難だからです。
外部業者および社内など多方面からのリクエストに応えようとすると、間違いなく過大投資となり費用対効果に問題が発生するケースが散見されます。昨今の宴会場の利用用途は、パーティーやブライダルはもちろん、カンファレンス等多様化しています。様々なニーズに対応できるよう、設備だけでなく内装等のハード面の改修も視野に入れる必要があるでしょう。
- その他宴会場改装時の具体的なアドバイスは?
- 労働人口が減る傾向の中、繫閑の業務を平準化することのできるシステムを導入することも必要だと思います。例えばデジタルサイネージを導入することで筆耕、宴席の名称の用紙を張り替える手間を省くことができます。軽くて丈夫な椅子やテーブルは設営時間の短縮にも繋がります。
企業ミーティングを考えれば、長時間座っても疲れない椅子、インターネット環境は必須です。いずれ通信速度が向上すれば無線LANだけでも事足りるようになると思いますが、現在は有線&無線LANの併設は速度やフレキシブル設定の観点から不可欠です。
バンケットの部分では「ホテルの美味しい料理」にスパイスが必要ではないでしょうか。最近見かけるようにもなってきましたが、「ライブ・キッチン」などは大変喜ばれています。
- その他イベント開催時に客室で要請されることは?
- 外国人の方には「客室にコンセントの絶対数が足りない」とよく言われます。また電気事業法規制のため、ユニバーサルコンセント(どの国のプラグでも挿し込める)も日本では見られません。加えて、携帯電話などモバイル機器のユニバーサル充電コードも客室にてもっとも必要とされる設備の一つですが、日本ではあまり見られないのは残念なことです。