Saturday,November 18, 2017

宴会場こそ収益の源泉たりうる

現在の宿泊施設において必要なナレッジを対談形式で語っていく連載。連載第17回目は、財団法人宿泊施設活性化機構の理事(宴会場活用推進総括)であり、株式会社ティーケーピー代表取締役社長である河野 貴輝氏と、日本の宿泊施設における宴会場運用の際の問題点について対談しました。

宴会場こそ収益の源泉たりうる

宴会場の利用受注に四苦八苦しているのですが?
セールスではなくマーケティングによって受注するのが、旧来のホテルと私どもの会社との一番の違いです。セールス(PUSH型)で売ろうとすると、極論すれば恣意的に選んだ往訪先に偶然宴会や研修を発注していただくという射幸性の議論になりかねません。射幸性の議論を防ぐため、我々はインターネットマーケティング(PULL型)主体で受注することにより、幅広い案件獲得に成功しています。さらに、ホテルは宴会場を明らかにBtoBのみで埋めようとしており、BtoCへアプローチするスキルとノウハウを持ち得ていません。これも大きな問題です。ここを改善すれば、宴会場稼働率は好転するものと考えます。
料理やサービスの重要性は?
もちろん、宴会料理が美味しいに越したことはなく、かつサービスが最上であることに越したことはありません。しかし限られたリソースを集中投下しなければならない事業環境下で、果たしてそれが最適の戦略と言えるのか、常に吟味する必要があります。一例として、宴会場有償稼働面積比率をあげることによる収益性の改善や、セントラルキッチンの活用など、料理やサービス以外にも宴会場収益が改善可能なケースが散見されます。
もう宴会場をやめようかとも思うのですが?
米国宿泊施設統一会計基準「ユニフォームシステム」において宴会部門収益率を見た場合、確かに宿泊部門と比べて収益率としては芳しくありません。しかし宿泊室延べ床面積と、宴会場延べ床面積では、宿泊施設の総面積に占める割合が大きく異なります。結果、不動産費用として仮想賃料を設定した場合、思いのほか宿泊部門の不動産費用は大きなものになります。結果的に、ユニフォームシステムにおける配賦不能費用まで強制配賦して宿泊部門と宴会部門を比較した場合、宴会部門のほうが実はホテルの利益を稼いでいた、ということも珍しくありません。念のため、その点についてもご自身で検証されてみてはいかがでしょうか?必ずしも宴会場運営をやめる必要がないかもしれません。