Wednesday,December 04, 2024
宿泊施設では広報が有効
現在の宿泊施設において必要なナレッジを対談形式で語っていく連載。連載第12回目は、外資系ホテルのプロパティ専属広報責任者としてご活躍されている匿名氏(外資系ホテルオペレーター日本支社に氏名開示を拒否されました)に、宿泊施設における広報(PR:パブリックリレーションズ)の考え方について対談しました。
- 宿泊施設は広告宣伝ではなく広報が効率的かつ効果的?
- 有償の広告宣伝は、宿泊施設が主観的に発信しているため、受信者における信憑性は高くありません。一方、広報露出はメディアによるスクリーニングがかかっているため客観的だと思われており、受信者における信憑性は相対的に高くなっています。ここに広報の特筆すべき効果が見られます。しかし既述のような効果の高い広報活動を、積極的に行っている宿泊施設が少ないのは大変残念なことです。
宿泊施設が持つ広いターゲットに対して、認知を促す有償広告宣伝額は莫大なものになりますが、一般的な広告宣伝と違い、同じ経費をかけても販売数に上限があり、効率性が悪いのです。そのため、宿泊施設には広告宣伝部がないのです。
- 効果のほどは露出量や露出媒体ではなく記事等のクオリティ?
- よく、○○媒体に出すと効果がある、でも△△媒体に出しても効果がない、などと言われます。しかし、本当にそうでしょうか?もちろん、ターゲットに応じた媒体は存在しますが、それよりも掲出された記事や写真のクオリティのほうが重要だと考えています。
効果は量×質であり、よく練られた高品質の記事や写真を掲げている宿泊施設は極めて少数であると考えています。
- Facebookは広報なのでしょうか?
- Facebookは口コミという第三者によるスクリーニングがかかっているため客観的だと思われており、受信者における信憑性は相対的に高くなっています。したがってFacebookはニュースフィードへの記事投稿としてみれば、広報の一部として扱うのが妥当だと考えられます。残念ながら、現実的には、効率的かつ効果的な使い方をしておられるのはまだ少数です。