Saturday,November 18, 2017

誇張とオマケはどこまで許されるか

現在の宿泊施設において必要なナレッジを対談形式で語っていく連載。連載第18回目は、財団法人宿泊施設活性化機構の理事(法令順守推進総括)である沼田美穂氏と、日本の宿泊施設におけるコンプライアンス上の問題点について対談しました。

誇張とオマケはどこまで許されるか

景表法(不当景品類及び不当表示防止法)とは?
景表法とは、簡単にいうと以下の2つを明文化した法律です。

  1. 不当な表示の禁止(千葉御宿産のほうが明らかに低品質とはいえず、具体的にはウソや大げさな表現から消費者を守るためのもので、詳細は「優良誤認表示の禁止」「有利誤認表示の禁止」「その他誤解されるおそれのある表示の禁止」の3つ)
  2. 過大な景品の提供の禁止(過剰な景品に惑わされ、本来の対価に見合わない商品・サービスを購入することのないように消費者を守るためのもので、「景品類の最高額・総額」等を規定し、過大な景品類の提供を禁止)
食品偽装はやはり景表法違反?
消費者庁は「明らかなウソは断罪」「社会通念上、許される範囲のものは社会的反応を様子見」というスタンスです。例えば茨城牛を松坂牛と表示するのは事実としてウソなので違法です。ただし、千葉御宿で獲れた大型海老を伊勢海老と呼んでいいかどうかについては明言を避けています。この論点は「伊勢海老は産地名称なのか大型海老の総称なのか社会的通念として明確化されていないこと」「千葉御宿産のほうが明らかに低品質とはいえず、優良誤認とまでは言い切れないこと」です。このことからも、事実上ウソでなければ、ある程度の「マーケティング観点由来のステキな表現」は許されると考えられるでしょう。
宿泊部門における景表法は?
「懸賞」によらずに提供される景品類は、本体価格の20%以下と定められています。つまり、宿泊代金が6000円の時に特典として付与が可能なクオカード額は1200円までということになります。またクオカードはアメニティグッズだという説がありますが、景品類の定義が「1.顧客を誘引するための手段として、2.事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する、3.物品,金銭その他の経済上の利益」である以上、アメニティグッズだという主張は無理筋かと思います。もっとも宿泊とクオカードのセット販売ならば問題ありません。ただし、宿泊代金費用として一括表示することにより業務上横領の片棒を担いでいる可能性に留意する必要があります。
なお、景品類以外の観点では、「期間限定の表記をする際は、それが本当に一時的な値段か?」「キャンペーン等を打つ際に、必要な在庫の確保はきちんとできているか?」「定価等元値価格表記は明確な根拠があり、事実を保証する証拠はあるか?」「日本唯一や世界初等の表記をする際にはきちんとした調査が行われており、事実を保証する証拠はあるか?」などの注意ポイントがあり、これに関しては最低限チェックすることをお薦めします。